第9回オタク川柳大賞 解説

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第9回オタク川柳大賞 WEB一般投票開始です。

オタク用語でわからない、というお声をいただきますので、今年もまた解説をさせていただきます。

・「バカモン!」を 四十四年 ありがとう (静岡の甥/40代)

声優永井一郎さんがお亡くなりになりました。 永井さんと言えば、サザエさん、磯野波平さんの「バカモン!」 44年間、ありがとうございました。

・五輪より コミケの心配 2020 (あっくん/30代)

2020年8月は東京五輪。ベイエリアは五輪会場となる予定です。
ビッグサイトのコミケは五輪と同時期で、場所もかぶっていて開催されるのか心配です。

・課金とは ゲーマー界の ドーピング (はさみたこ/20代)

無料のゲームでも、ゲーム内アイテムを購入すると強くなれます。
お金を使わないライトユーザーから見れば、いわば、ドーピングのようなもの。

・アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く (れおにだす/20代)

親にしてみれば「アニメ=子供が楽しむ物」。そんなアニメを見て涙する我が子に絶望して涙する母親。手塩にかけて育てた我が子の見たくない姿ベスト10上位に入るのではないでしょうか。

・板開き →kwsk→wktk →ggrks (ビン/30代)

2chで新たにスレッドを立てて(板開き)、質問をして(kwsk=クワシク=詳しく教えて)、わくわくして待ってたら(wktk=ワクテカ=わくわくしている様子)、Googleで検索しろと言われた(ggrks=ググれ、カス)という、ネットでよくある情景を描いたものです。

・「いいね!」には 「すごく」「どうでも」 つけるべき (ふう太/60代)

SNSなどでは、友達の投稿に、たまには「いいね!」をしてあげないと、友達が拗ねてしまいます。
本当に「いいね!」と思ってるわけではないのです。

・「いつやるの?」 聞かれ即答 「いつかやる・・・」 (多々唯只徒/40代)

東進ハイスクール林修先生の、「いつやるの?」「いまでしょ!」がリア充(リアル充実)の合い言葉としたら、「いつかやる・・・」は、オタクの正しい回答ですね。

・ツンデレだ 俺にはデレを 見せぬだけ (松永 智文/30代)

ツンデレ(つんつん、でれでれ=いつもはツンとした冷たい態度を取るが、好きな人には、デレデレしてしまう、かわいい様子) かわいい娘が、自分に冷たいのだけれど、その子はツンデレな子で、自分に対して好意を持ってるのに、恥ずかしくてデレを見せないだけなんだと思っている幸せな状況を描いています。

・おかしいな 来年魔法が 使えそう (さくらんぼ男子(29)/20代)

男性が純潔を保ったまま、30歳になると、魔法が使えるようになる、という都市伝説があります。
いつの間にか、30歳になってしまいそうな、さくらんぼ男子(=cherry boy)さんの、焦りとあきらめと、ある種の期待感が読み取れます。

・「ボカロかよ」 あれから一年 「ボカロはよ」 (りょー/10代)

ボカロ(ボーカロイド、人工音声)の歌は無機質で、はじめはとっつきづらいのですが、いつのまにか、その声が好きになっている自分に気がつくものです。
たった1年前に、ボカロかよ、とがっかりしていたが、いまは、ボカロはよ(=早くこい)に変わっていくという人の心のうつろいやすさを謳っています。

・専属の ATMに 俺はなる (まろ/10 代)

某アイドルのファンの間で「ATM」というTシャツが流行したと言われています。
バブル時代は「アッシー君」(=クルマで送り迎えをしてくれる)、「メッシー君」(=食事をご馳走してくれる)、という人種がいましたが、いまや、ATM君なのですね。

・給料は 円から萌に 単位変え (残高3700円/20代)

給料が、萌えアイテムに変わっていく様子を、通貨単位にたとえて描いています。
萌えアイテム1個で1萌なんでしょうか?それとも萌える度合いで、1アイテムでも100萌とかになるんでしょうか?

・アニメ好き 出せるラインは ジブリまで (羽華/30代)

アニメ好きオタクが好きなアニメは、一般人に理解できるものではありません。
「なにが好きなの?」と言われたときに、「ジブリ」と答えておくのが無難です。

・wwwww wwwwwww wwwww (柴田 圭太朗/10代)

笑っているさま。オタクは笑うときには、wと書きます。
多ければ多いほど、たくさん笑っていることになります。
草野心平さんの「るるるるる・・・」を彷彿とさせます。

・赤いモノ 見ると「3倍」 合言葉 (はむぺむ/30代)

ガンダムの敵役シャアの搭乗した機体は、赤色でした。速度は体感で通常の3倍。(実際は1.3倍)
半沢直樹は倍ですが、オタクは赤で3倍がデフォルトです。

・スレ立てど 中止にならない クリスマス (横山裕紀/20代)

クリスマスやバレンタイン、もてないオタクは中止のお知らせ、というスレッドを立てますが、いままで一度も中止になったことはありません。

・メーテルが いるかもと待つ ななつ星 (鶴長/60代)

銀河鉄道999のヒロイン メーテル。メーテルのような人がいるかもしれないと九州の最高級クルーズトレイン ななつ星を見るためか、乗るためか、期待をして待っている感じが、美しく表現されています。

・社会への 着任できず あかんこれ (ナノ梅提督/20代)

大好評で新規にゲームを始めたくても満員ではじめられないことが多かったゲーム『艦これ』 ゲームをはじめることを着任と呼んでいます。
艦これでは着任できているのに、社会への着任(=就職)ができないと嘆いている提督(=艦これをやっている人を提督と呼ぶ)は、今日も艦隊を引き連れて出撃です。

・納豆は 大豆にはもう 戻れない (貴腐人/20代)

男性同士の恋愛マンガや小説を好む女性は、自分自身を自虐的に腐女子と呼びます。
一度、腐って納豆になってしまうと、大豆には戻れない、という腐女子から一般女子に戻る道の険しさを表現しています。

・リア充を 見るたび思う 充規制 (鼓吟/30代) (※敗者復活枠。第8 回応募作品)

リア充(恋人がいる、経済的に恵まれているなどリアルが充実している人)を見て、充実ぶりに嫉妬するさまを謳っています。そして米国の銃規制がそうであるように、とは言っても規制は難しいよね、という気持ちがあらわれています。

どうでしたか?

オタクの表現をご理解いただければ幸いです。

昨年の解説はこちら→です。第8回オタク川柳 ひとこと解説


「第9回オタク川柳大賞 解説」への2件のフィードバック

  1. アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く (れおにだす/20代)
    大賞発表の記事でペンネームも評価されたとありますが、
    ペンネームの解説もしていただけませんか。

  2. 仮性Gさま
    レオニダスとは、300人の屈強な夏コミのスタッフを束ねる長・・・ではなく、アギス朝のスパルタ王であるレオニダス1世のことです。
    ニコニコ動画により、スパルタ軍をコミケスタッフ、ペルシア軍を一般参加者に見立てて、コミックマーケット開催直後の会場の混乱を再現したものにより、ネタキャラ化されました。

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