「ニュース」カテゴリーアーカイブ

映像化協会のようなもの〜「セクシー田中さん問題」で考えたこと

漫画家・芦原妃名子さんが急逝しましたが、その原因が、彼女の代表作『セクシー田中さん』のドラマ化に伴うトラブルではないかと議論が起きています。


さまざまな立場の人が、ある人は原作者の立場から、あるいは、脚本家の立場から、あるいは、視聴者の立場からコメントをされています。

私はここで、ビジネスをしてきた者の視点で、こうしたらいいのでは?と思ったことを書かせていただきたいと思います。

原作者が映像化を許諾する際、条件を出しますが、ほぼ口約束のようです。

そこで、契約書を弁護士が確認すれば良い、という意見もあるようですが、契約上微妙な案件や、守られなかった場合どうなるか、あるいは、契約上書かれていないことが出てくるなどもあり得ます。弁護士は、契約書だけではなく、その後もフォローすることが必要だと考えます。そうすることで、原作者はこういう煩わしい交渉ごとから解放されます。

ただ、弁護士を選定して、完成までのフォローを原作者の費用で契約をする、というのもなかなか難しいように思えます。

そこで、それを仲介する団体があればいいのではないかと考えました。

名称はたとえば、「映像化協会」で、映像化したい場合は、まずここに話をすると、協会から原作者に連絡が行き、許諾する場合は、協会が弁護士を紹介して、費用は映像化を希望する団体が負担する、というような。


私は子供のころ、NHK「国盗り物語」を見て、感動し、司馬遼太郎の原作を読みました。Wikipediaを見ると、

「司馬遼太郎の同名小説『国盗り物語』を核に、司馬の『新史太閤記』『功名が辻』『尻啖え孫市』『梟の城』などを合わせて[1]、大野靖子が脚色した。」

とあります。脚色されてたのか?!と今更ながら驚きました。原作との違いも気づきませんでした。

テレビドラマにする場合、時間の関係もあり、すべての台詞を入れることはできないでしょうし、場合によっては、人物や場面をバッサリ削除することもあるのでしょう。実際、私が今、アマゾンPrimeで見ている「ターミナル・リスト」は原作とかなり違っているようです。

著作権が切れていますが、シェークスピアの演劇は、巨匠から、それこそ大学の演劇サークルまで新解釈などと銘打って、かなりの改変をしたりしていますよね。

そういったことも含め、私は原作改変は許容してあげてほしいと思う方なのですが、改変してほしくない、という原作者の意向も尊重すべきと考えています。

一つだけ言えることは、

私が大好きだったNHK「国盗り物語」のことを
司馬遼太郎さんはまったく、気に入らなかった、

と、もし、言われたら、なんとも悲しい気持ちになっただろうな、ということです。

そのようなことがないようにしてほしいと切に願うばかりです。

できれば、

司馬遼太郎さんは、NHK「国盗り物語」を
とても気に入っていた、

と言ってほしいなと思います。

中川翔子さんの改名「しようこ」から「しょうこ」?!パスポートは?

タレントの中川翔子さんの本名の名前は、ひらがなで

「しようこ」

だそうです。しょうこ、ではなく、しようこ、なんです。

こちらの記事を読むと、おばさんが殴り書きした文字が、「しょうこ」ではなく、「しようこ」として受理されたとあります。

そこで、今回、名前を「翔子」に変更したとのことです。

『マイナンバーのココがシステム開発として難しい〜日本の戸籍制度』

というエントリでも書きましたが、戸籍名が違っていることに本人すら気づかない、というパターンの中には、殴り書きした字が異体字になったり、大文字小文字が誤判別されたり、ということは大いにありそうですね。

別の記事を読むと、これまでパスポートは「SHOKO」でとっていたとのことです。本名であれば、ヘボン式で「SHIYOUKO」となるところですが、あまり知られていませんが、ヘボン式以外も認められています。

実際、「たくと」さんが「TACT」というパスポートを所持しているのを見たことがあります。

日本人が申請する要件としては、使用実績があれば良いようです。使用実績とはなにか、がよくわかりませんが、改名時と同様であれば、手紙などでも良さそうです。

ヘボン式ローマ字と異なる場合(非ヘボン式ローマ字)神奈川県パスポートセンター

たとえば、「ここみ」さんを「cocomi」、山本譲二さんなんかは、「George Yamamoto」になれるかもしれませんね!

WeWorkが破産法適用申請か?

当社も利用しているシェアオフィス WeWorkですが、米本社が来週にも破産法11条の適用申請をする、との報道がウォール・ストリートジャーナルでありました。

これを受けて、WeWork Japanは、

「当社はWeWork Inc.、ソフトバンク株式会社などの共同出資による合弁会社であり、単独の法人として独立性をもった経営を行っております。当社が日本国内で運営する40拠点については、通常通り営業しております。また、これらの拠点は高い専有率を示しており、今後も変わらず営業を継続する予定で、閉鎖の予定はございません。」

と、こちらのページで発表しています。

そもそも米破産法11条は、経営を続ける前提の申請なので、営業継続はある意味当然なのですが。

とはいえ、拠点の閉鎖や、サービス内容の改定はあるんだろうなと思います。

かなり前から、WeWorkの経営不安は言われていましたし、今年のソフトバンクの株主総会では、WeWorkに100億ドルを投資したことについて、「私の人生の汚点」とまで言ったそうです。いつか来る日がついに来た、ということでしょうか。

当社は、米国本社との契約になっているので、今後、日本国内拠点の利用ができなくなるようなことがあるのか、ちょっと心配です。

国立科学博物館のクラファンに応募した

国立科学博物館クラウドファンディングをやってます。

 国立科学博物館 篠田謙一館長:「ただでさえ、ギリギリの運営体質だったところに、コロナ禍によって入館料収入が大きく落ち込んだ。さらに近年、光熱費や物資の高騰が状況に追い打ちをかけている」

 不足を補うため、7日に国立科学博物館が発表したのが1億円を目標としたクラウドファンディングです。(テレ朝News)

ということらしいですが、こういうことって、国がきちんと予算つけるべきで、クラウドファンディングかぁ、とは思いますが、まあカタイことは言わずに面白そうなので参加してみました。「館長と副館長が施設を案内してくれる」というのが一番いいなと思ったのですが、すでになし。

このReadyforというクラウドファンディングは初めて利用しますが、予定人数突破で締め切ったものは、表示されないんですね。

さて、そんな中、どれにしようか迷います。

まず、お安いのはこちらのトートバッグ。

なかなかマニアックな感じのトートバッグになりそうです。こういうスケッチを元に、デザイナーさんが国立科学博物館のロゴなんかも入れてカッコよくしてくれるんだろうと思います。

次にお手頃なのは、標本のアクリルスタンド。

10種類の中から、なにが送られてくるかわからないとのことです。

港川人っていうのは、日本で発見された最も古い人類の化石らしいです。たぶん骸骨みたいなものがアクリルスタンドになるんじゃないかと想像します。

ルーシーというのは、上の写真の右端に写っている、人類の祖先とされる猿人女性です。

私は、港川人やルーシーだったら、ちょっと家には飾れないな、と思ってしまいます。

そもそも、アクリルスタンド、略称アクスタ、ってみなさん知ってます? たとえば、日本サッカー協会では選手のアクリルスタンドを販売しています。

なでしこだと、下図のような感じ。アクリル板に写真を印刷するようなものです。

もうちょっと凝ったものだと、たとえば、アニメのキャラだとアニメキャラの形に切り抜いたアクリル板に印刷したりします。

トートバッグも、アクリルスタンドも、実際にどのようなものになるかのイメージ図がないので、どんなものが送られてくるのかわからない不安があります。まあ、それも楽しみの一つにすればいいわけですが、ちょっと悩みます。

国立科学博物館からしたら、一番ありがたいのは、返礼品なしでしょう、ということで、こういうのもあります。

返礼品なしとはいえ、入館券はもらえるとのこと。寄付控除ありなので、年末調整や確定申告で、税金が減りますね。

いろいろ悩んで、アクリルスタンドと寄付控除あり10,000円コースの2つにしました。

港川人やルーシーがきても、家に飾ろうと思います。(え?!)

失敗は成功のもと〜JAXAの事故で思ったこと

JAXAが秋田能代の実験場で爆発事故を起こしたそうです。

JAXAで思い出すのは、2月17日のH3ロケット1号機、打ち上げ「中止」です。

打ち上げ中止「H3」会見で共同記者の質問に批判相次ぐ ロケットを救った「フェールセーフ」とは

この記事もそうですが、共同記者が「失敗」ではないかと迫ったのに対し、JAXAは失敗ではなく中止と答え、共同記者が悪者のように扱われました。

私は共同記者の言う通り、失敗だったと思うんです。

中止や延期、というのは、人が決めることです。小学校の運動会の中止を決めるのも校長先生とか、他の方かもしれませんが、人が決めます。

プログラムもそうです。

銀行のATMのプログラムを作って、走らせました。途中でプログラムが止まりました。ATMでお金が引き出せません。これが失敗でなかったら、なんでしょうか?

驚いたのは報道機関が、NHKのニュースも、「中止」と伝えていたことです。これでは、当局が発表したらそうなってしまいます。戦争に負けていても、当局が「戦争に勝っている」と言ったら、ニュースはそう伝えてしまいそうです。

失敗でいいじゃないですか?

失敗を認めましょうよ。

今回は失敗だった、でも次回は成功させましょう、と言ってあげるべきなのに、ニュースのコメント欄は、失敗してないよ、と励ます声が大きく、TVのコメンテーターも、そしてマスメディアも、その声に乗っかる報道をしているように私には見えました。日本は失敗を許さない社会なのだろうかと、ちょっと怖くもなります。

失敗は成功のもと

まずは失敗を認めて、その原因を追求して改善していけば、成功につながる、ということわざですが、しっかりと失敗に向き合わなかったことが、その後の打ち上げ失敗、今回の事故につながっているように思えてなりません。

私は常々、エンジニアの味方でありたいと思っています。テクノロジーの発展において、失敗はつきものです。一度も失敗せずにテクノロジーが発展することなどあり得ません。だからこそ、エンジニアに対して失敗だったと言うことは、非難しているわけではなく、果敢な挑戦に挑んでいるエンジニアに対して、難易度の高い挑戦をしていることをたたえ、まだこれからも続く挑戦、そしていつか成功することへのエールであると思うのです。

インボイス制度はオタク文化の敵?!

アニメ業界の方々が22日、日本外国特派員協会で、クールジャパンを壊すとしてインボイス制度の中止を求める記者会見を開いたそうです。

『Zガンダム』エマ役・岡本麻弥、インボイス制度の中止へ涙の訴え 自身も「廃業も視野に入っています」

インボイス制度は、中小零細企業や個人事業主にとって、非常に厳しい制度だと私も思います。

私が起業した頃、1989年に消費税ができたのですが、当初は二年前の売上が3,000万円までは免税でした。それが今では、売上1,000万円まで、と厳しくなっています。

免税だったことから、中小零細企業には益税になっている、というような指摘もありましたが、中小零細企業もモノを買ったり、支払う時には消費税を払っているわけですから、実は、益税と言っても額はわずかです。

それがインボイス制度で、売上1,000万円以下の中小零細企業や個人事業主は、そのまま免税事業者を選ぶか、課税事業者を選ぶかを迫られています。免税事業者を選んだ場合、取引先から消費税分の値引きを迫られる可能性があり、逆に、課税事業者を選んだ場合、実質的にキャッシュが減り、経理処理も複雑になってしまいます。進むも地獄、退くも地獄という状況です。

今回、この記事を読んで、私はまず、アニメ業界の低賃金をなんとかしないといけないのではと思いました。人気作品が低賃金のアニメーター多数に支えられてるとしたら、そちらの問題をまずは解決すべきで、このまま解決できないと、日本がクールジャパンの地位を他国に奪われてしまいかねません。

中小零細企業や個人事業主に対して、なんらかの救済策ができないものでしょうか?私も当初は2人で起業し、最初は結構苦労しました。売上の少ない起業時から消費税を納税していたら、今日まで続けられなかったのではないかと思います。

パタゴニア創業者、全株式4300億円寄付について考えたこと

アウトドア用品のパタゴニア創業者と家族が、全株式4300億円相当を寄付したとのこと。

パタゴニア創業者、全株を環境NPOに寄付 4300億円(日本経済新聞)

 

現在、パタゴニアジャパンのホームページ(patagonia.jp)にアクセスすると、パタゴニア創業者からのメッセージのページ(patagonia.jp/home)に行くようになっています。

本文の書き出しは、

「私はビジネスマンになりたいと思ったことはありません。クライミング用具を友人や自分用に作る職人から始めて、後にアパレルの世界に入りました。」

とあります。私はこの部分にまずは反応してしまいました。私と同じだなぁと思ったからです。私のことを同じように書くとすると、

「私はビジネスマンになりたいと思ったことはありません。プログラミングをはじめて、その楽しさにはまり、後にインターネットの世界に入りました。」


今回のスキームは、

Patagonia Purpose Trust(新設)   すべての議決権株式

Holdfast Collective(環境保護団体)  すべての無議決権株式

ということなので、配当はすべてHolodfast Collectiveにいくかと思いきや、Q&Aには、

「Holdfast Collectiveは会社の98%とすべての無決議権株式を保有しています。Patagonia Purpose Trustは会社の2%とすべての議決権付株式を保有しています。」

とありますので、配当の2%は、Patagonia Purpose Trustにいき、運営費を賄う、ということのようです。


事業承継は、特に利益至上主義ではない会社においては、なかなか難しい面があります。承継者が創業者の意思を引き継がずに、利益追求、特に個人の利益追求に走ってしまうようなこともあります。私も見たことがあります。

そんな私から見て、今回のスキームの心配な点をあげるとすれば、

1)環境保護団体に今後、毎年結構な額が入ってくるようになり、団体の役員が高給を取ったり、贅沢をするようになってしまう。この場合、配当を減らせばよいが、配当を減らすとPatagonia Purpose Trustの運営費が賄えない可能性がある。

2)環境保護団体が株式を高値で転売してしまう。
(株式譲渡制限をかけているとは思いますが、Patagonia Purpose Trustの役員をうまく抱え込むなどすれば可能ではないか。あるいは環境保護団体が自身を売却するなど)

3)Patagonia Purpose Trustがよくない人に乗っとられると、パタゴニアの役員人事に悪影響が出たり、業績悪化につながるおそれがある。

つらつら思いつくままに書きましたが、私が書いたようなことは、創業者も弁護士をまじえて対策を考えていると思います。パタゴニアのこのような斬新ですばらしい取組が成功することを祈っています。

ただ、創業者が相談した弁護士が実は悪い奴で、創業者亡き後、甘い汁を吸ってた、なんていうテレビドラマのような展開も想像してしまいます(笑)

こんな時だからこそ、auを契約しました。

auの通信障害が復旧。発生から約86時間(Impress Watch)

大規模障害から回復したauですが、総務大臣から、昨年起きたドコモ障害の教訓が生かされていないとか、周知が足りない、などと叩かれていて、ちょっと言われすぎなんじゃないかなと、auユーザーでもないのでauの肩を持つ必要はまったくない私ですが、少し不憫に思っていました。

私の基本的な考えは、

障害は起きる

というものです。

ですから、障害が起きた時にどう対処するか、そのリスクマネジメントこそ重要なのです。それは提供事業者側だけでなく、ユーザー側にもリスクマネジメントが必要です。つまり、障害が起きたら、代替機を使うとか、Wi-Fiに切り替える、など。そして、そのリスクマネジメントを考えた時に、私はauを契約する、という手段を選びました!

会社支給のiPhoneを私は利用しています。

回線はY!mobile(=ソフトバンク系)です。

楽天モバイルも契約していて、デュアルSIM運用していたのですが、楽天モバイルが0円をやめる、ということでどうしようか迷っていました。

そこで、povo(=au系)です。

楽天モバイルから、povoに変えて、povoを副回線にしたのです。

povoについて少しお話しします。

2021年に発表された料金プラン、povo1.0は、トッピングという斬新な手法を用いましたが、2,480円スタートということでトッピングの良さがあまり生かされていませんでした。

たとえて言えば、A定食2,480円というセットがあって、そこに、小皿を追加するイメージでした。すでに2,480円のセットに結構いろいろなものが詰まっていたんです。

それが、povo2.0になると、0円スタートです。

食堂の席は0円だよ、みたいな感じでしょうか?しかも、この席もずっと0円で座っているのはダメで、180日に1回は何か注文してね、という感じです。

そして、カレー、カツ、ごはん、味噌汁、卵、etc、すべてトッピングで追加していくのです。カツカレーセット+生卵を作るのも可能ですし、ごはんに味噌汁だけ、というのも可能です。自由度がすごく高いのです。

定食にたとえてばかりでpovo2.0の説明になっていませんが(汗)、ものすごくざっくり説明しますと、

・トッピングなしの月額0円の状態でも電話を受けたり、SMS受信ができる(ただし180日に1回は課金が必要)
・いざという時に、トッピングを契約して使える

これって、まさに副回線用だと思いませんか?主回線が障害起こした時にぴったりです。(起こしてほしくないですが)

主回線:Y!mobile、副回線:povoにすると、もう一ついいこともあります。povoは個人で契約したので、会社支給の1台のiPhoneを、会社用と個人用にしっかり分けることができるのです。

どちらかの回線が使えなくなっても、まったく連絡が取れない状況にはならないし、会社、個人を分けられるし、いいことずくめです。


2021年のpovo1.0発表時も、総務大臣から料金プランについて「紛らわしい」と言われていたりしました。そのあたりはこちらのエントリに書きました。なぜかpovoには厳しい感じ?

さて、こういう障害があるとauからユーザーが離れてしまうことが危惧されます。auは私となにも関係ありませんが、がんばってねという期待も込めてpovoを契約した次第です。

それにしても、昨年10月にドコモが大規模障害29時間、今回auが86時間と、短い期間に2つも起きました。政治主導で値下げをして1年足らずでおきたことです。私もインターネットを提供する側なのでわかりますが、安く提供すると設備に余裕を持たせられなくなり、障害は起きやすくなります。大手3社に一斉に値下げをさせたことで、3社とも設備に余裕がなくなっているのではないでしょうか?一社くらい、「ウチは高いけど、品質も高いです」という会社があってもいいのではと思います。

以前も書きましたが、電力も同じです。新電力参入で安くなりましたが、不安定な供給体制になっているとしか思えません。安物買いの銭失い、格言通りのことが起きているようです。

今日からYahoo! JAPANはEUやイギリスから閲覧不可となりました。

2022年4月6日 (水)よりYahoo! JAPANは欧州経済領域(EEA)およびイギリスからご利用いただけなくなります

というお知らせは2022年2月1日に発表されました。

Yahoo! JAPANページ内では、よくあるご質問の中で下記のように「欧州経済領域(EEA)およびイギリスでサービス利用いただける環境を継続的に提供することが困難になったためです。」としています。

EEAとはEUに EFTA (欧州自由貿易連合)のノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを含めた共同市場です。

はっきりとした理由が書いてありませんが、GDPR(EU一般データ保護規則)を順守することが難しいからであろう、というのが識者の見解で、私もそうであろうと思っています。

GDPRは、個人情報保護を厳しく規定したもので、EEA内で取得した情報をEEA域外へ移転することを原則認めず、違反した場合、莫大な罰金が課せられます。

わかりやすく言うと、フランスでAさんの個人情報(住所、氏名、クレジットカード番号など)を取得したら、それを日本で見てはいけないというようなこととお考えください。

実際に、莫大な罰金がこれまで課されています。

欧州当局、Amazonに罰金970億円 GDPR違反で過去最大(2021/7/31 日経新聞)

ドメイン業界では、2018年5月25日に対応しており、個人情報を出すといけないのであれば、出すのをやめよう、ということになりました。また、そのデータがEEA内で得たものか、そうでないかを判別することは手間もかかり面倒なので、「すべてのデータについて、GDPR違反になりそうなものは、表示しない」ということになっています。

これについては、2018年5月23日に私の下記エントリで解説しています。

EU一般データ保護規則の影響で、WHOISガードがいらなくなるかも、という話

Yahoo!JAPANの対応が今になってしまったのが、少し謎ではあります。最近のGDPR違反事例の中で、Yahoo!JAPANに似たようなものがあってYahoo! JAPAN法務部がサービス停止を求めたのか、それとも、EEAからYahoo!JAPANに何か問い合わせがあり、このままだと違反と認定されそうだと考えたのか、そのあたりはまったく想像の域を出ませんが、何がきっかけだったのか、知りたいところではあります。

1995年、私がインターネットを事業としてやろうと思ったのは、世界中の人がつながる場ができる、ということに、期待と高揚感を持ったからに他なりません。twitterで大量BANが行われたり、国際情勢でインターネット遮断が求められるなど、近年、インターネットが分断されつつあるように感じ、複雑な心境です。

電力需給逼迫警報で、電力自由化について考えてみた

本日(2022/3/23)、電力需給逼迫警報は解除されました。

天気が良くなるので気温があがり、暖房を使わなくなるからだそうです。一般に暖房の方が冷房より電力を使います。

さて、シリコンバレーのあるカリフォルニア州は結構停電します。

エンジニアは停電になると仕事ができないので、帰宅してました。

カリフォルニアで停電がもっともひどかったのは2000年代前半です。

2000年から2001年にかけての電力危機はWikipediaの「カリフォルニア電力危機」にまとめられています。

1998年に電力が自由化され、さまざまな会社が電力に参入、結果として電力自由化が停電を発生させてしまったのです。

最近では、2020年にもありました。

再エネ導入が停電を引き起こしたカリフォルニア州

テキサス州は、カリフォルニア州と違って成功しているとして、2016年には次のような分析がなされました。

【電力自由化】カリフォルニア州の失敗とテキサス州の成功

成功とされたテキサス州ですが、2021年2月に大停電が起き、次のような記事が出てきます。

なぜテキサス州の家庭では1週間の電気料金が100万円になるのか?

日本では2016年4月に電力が自由化されました。消費者にとっては安くなってうれしいことではありますが、電力会社にとっては、利益が減り、適切な設備投資ができない、万一の需給逼迫のために余裕のある設備を持たない、というような状況が出てきているような気がします。

当社は、ドメイン名を1000種類以上、取り扱っています。ドメイン名はインターネット上の住所ですので、電力ほどではないかもしれませんがインフラに近い部分です。そして、ドメイン名は安売り競争されやすいものなのですが、当社では適正利潤を確保し、安売り競争には参加していません。そのことから、ドメイン料金が高いということも言われますが、なにかあった時に、適切な対応を取るだけの余裕が必要と考えています。