- Photo: Tessa Bury / Wikimedia Commons, CC BY 4.0
今日(2026年9月1日)、AppleのCEOがティム・クックからジョン・ターナスに交代しました。
ティム・クックは65歳。CEOの座は譲りますが、Appleを完全に離れるわけではなく、エグゼクティブ・チェアマンとして会社には残ります。
ティム・クックは、スティーブ・ジョブズの後継CEOです。ジョブズが2011年8月24日にCEOを辞任し、自らクックを後継者に強く推薦しました。クックはその日からCEOとなり、今回の交代まで、約15年間Appleのトップを務めました。
この15年間の数字(概算)は、かなりすごいです。
| クック就任時(2011) | 直近(2025) | 約何倍 | |
|---|---|---|---|
| 年間売上高 | 約1,080億ドル | 約4,162億ドル | 3.9倍 |
| 純利益 | 約260億ドル | 約1,120億ドル | 4.3倍 |
| 時価総額 | 約3,500億ドル | 約4.6兆ドル | 約13倍 |
面白いのは、ジョブズが「新しいものを生み出す天才」だったのに対して、クックは「Appleを巨大な事業に仕上げた経営者」だった、という違いです。
クック時代には、Apple Watch、AirPods、Apple Pay、Apple Musicなどが登場しました。さらにサービス事業だけで年間1,000億ドルを超える規模になり、MacもIntelからApple Siliconへ移行しました。Appleのアクティブデバイスは25億台以上になっています。
私は2025年3月に「IT系企業、トップはいつまで続けるべきか?〜進む高齢化」というブログを書きました。
IT業界の経営者もずいぶん高齢化してきました。私自身も60歳を超えてから、「いつまで社長を続けるのか」「どうやって次の世代にバトンタッチするのか」を以前より考えるようになりました。
相場の格言に、
「まだはもうなり、もうはまだなり」
という言葉があります。
「まだ大丈夫」「まだ上がる」と思っている時には、すでに潮時が近いかもしれない。逆に「もうダメだ」と思った時には、まだ先があるかもしれない、という戒めです。
経営者の引き際にも、この「まだはもうなり」は当てはまるような気がします。
まだやれる。
まだ自分の方がよく分かっている。
まだ辞める必要はない。
「まだ」と思っていても、実際には「もう」潮時なのかもしれません。
今回のティム・クックも、業績が悪くなって追われるように辞めるわけではありません。65歳で、Appleも好調。まだ十分やれるように見える時にCEOを譲り、自分は会長として会社に残るという選択をしました。
「まだはもうなり」。
