第18回オタク川柳解説

沼ってな 200種以上 あんねんで (アンミカン :20代)

どっぷりとハマってしまう沼は200種以上あるという当たり前の事実を言ってるだけなのですが、「白って200色あんねん」というアンミカさんの名言を真似ることで、なにか深いことを言ってるように錯覚させる効果が出ています。

婆ちゃんが 推しのうちわで サンマ焼く(ちゅんすけ :40代)

推しのうちわがサンマを焼くことに使われてしまって、がっかりしているのか、それとも、本来のうちわの性能を発揮していることに感動しているのか、感情を乗せずに情景を描いているところが、シュールに感じられます。

争いは 二次元世界 だけでよい (ダン: 40代)

まさにその通りです。

「クソアニメ」「それってあなたの感想ですよね」(いえ、ポプテピです。:30代)

自分が気にっているアニメをけなされた時、2ちゃん創設者ひろゆきさんの口癖「それってあなたの感想ですよね」で返せば、「私の感想は神アニメ」「あなたの感想はクソアニメ」という、私とあなたの感覚が違うだけ、ということに気がつき、無駄な言い争いはなくなります。

ツラいのは 副反応より 無反応(まつ・たく:50代)

最近の若者世代、特にオタクには顕著に見られる無反応。講演などでスピーカーが戸惑うこともあるほどと言いますが、実はちゃんと話は聴いています。アンケートでは、「感動しました」と書いてあったり。ワクチン接種も無反応でもちゃんとワクチンの効果はあるらしいですから、ワクチン接種と同じですね。

スノストは ラウールがスノ ジェシースト(大男の集団:40代)

ジャニーズで人気のSnow Man(スノーマン)とSixTones(ストーンズ)。略して、スノストと呼ばれます。同時デビューしたこともあり、ごっちゃになってしまう人もいます。そこで、ラウールはスノーマンのメンバー、ジェシーはストーンズだよ、間違えないで、という注意喚起の川柳です。

「おもしれー女」だらけの即売会(深谷健:20代)

「おもしれー女」とは、モテモテの男性キャラが、なぜか自分に興味のない女子を指していう言葉です。3次元のイケメンに興味のない女性たちが集まる即売会の状況を、イケメン目線で、かつ、多少の嫉妬を込めて詠んだ川柳です。

ゲームでも 人との距離感 分からない (陰キャゲーマー:30代)

車の運転をすると人格変わる、みたいな話もあります。ゲームでは思い切って陽気なキャラ(陽キャ)や、あるいはもっと振り切って、俺様キャラを演じてみると新たな世界が拓けるのではないでしょうか?

声優が 推しキャラ邪魔す 不祥事で (マジでやめてよ:40代)

昨今、有名声優のスキャンダルが目立ちますね。キャラクターと声優は別、キャラクターに罪はない、そうわかってはいてもこれはなかなか辛いものです。声優はそのキャラを背負っているという自覚をもって頂きたいと切に願います。 

わが姉の 生涯一片の あごクイなし(メガネずれるくもる:40代)

北斗の拳、ラオウの名台詞「我が生涯に、一片の悔いなし」を見事にもじっています。あごクイとは、壁ドン同様、美形男子が女子に迫る時のさまで、女子のあごに軽く手をあてて、自分の方を向かせるという状況を指します。しかし、あごクイも壁ドンも、実際にされた経験を持つ女子はごく少数と思われます。

置き配で いいの?そういう 同人誌(配達員は見た:50代)

コロナ禍で、宅配の置き配が当たり前になりました。置き配にすると、家族に見られるとか、隣人に見られるという可能性があり、見られると恥ずかしい同人誌を配達している配達員の方が、受け取る本人より心配してしまうという状況を描写しています。

アニソンの 「ゼット」世代は 永遠に(マジン5:30代)

アニソンの帝王 水木一郎さんが2022年12月に亡くなりました。代表曲はマジンガーZ。今聴いても、テンポも速く、古さを感じさせません。ご冥福をお祈りします。

行きつけの 馴染みのイタ飯 サイゼリヤ(切子久兵衛:50代)

サイゼリヤはオタクが大好き、とか、オタクが初デートにサイゼリヤというような話題が、定期的にネットに出てきます。特に「サイゼリヤ初デート論争」と言いましょうか、初デートにサイゼリヤを選ぶのは、アリかナシか、という論争にまでなりました。私は「アリ」に一票です。

S(エス)生まれ 病気再発 ラム命 (俺はガンダム:50代)

S(昭和)生まれが熱中した、アニメ「うる星やつら」。宇宙人美少女ラムちゃんは、オタクの理想の少女。2022年10月からは、声優陣ほぼ総入れ替えで放映がはじまりました。主人公あたる役だった古川登志夫さんは、あたるの父役に、ラムちゃん役だった平野文さんは、ラムの母役に、と声優の世代交代も話題の一つです。

円安で 海外アニキに 推し負ける(金こそパワー(しみじみ):30代)

オタクもグローバル化がすすみ、アメリカのオタクは、運転免許なし、部屋では靴脱ぐ、おーいお茶愛飲、みたいな状況も発生しています。推しとの戦いも、グローバル化で円安では不利になっています。

セルランが サ終コースへ まっしぐら (水曜:30代)

セルラン(セールスランキング)が、どんどん下がっていて、サ終コース(サービスが終了する方向)に向かっている、という事実を述べています。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」の方丈記同様、当たり前のことを言っているようで、諸行無常を語っています。

「スパイみた」 ともだちつぎつぎ カタコトます (アーニャ(34さい):30代)

今、大人気のアニメ「SPY×FAMILY」。なかでもアーニャ(小学校1年生)は人気があり、渋谷のハロウィンでも大勢の「おとなアーニャ」がいました。アーニャのカタコト言葉が、放送翌日のそこかしこで使われているさまを表しています。

同担を 潰す蠱毒は みな孤独(とこぽん:30代)

同担拒否(=同じ対象を推すファンとは一緒になりたくない)という言葉もあるほど、同担同士で仲が悪いこともよくあり(もちろん逆もあります)、相手を潰そうとするさまは、まるで蠱毒(=呪術のひとつで、毒のある動物、爬虫類等を集めて戦わせ、残った一匹で人に害を与える)のようで、勝ち残ったとしてもあとに残るのは、孤独だけという、哀愁漂う川柳です。

これ絶対 開発部にいる 同年代(マイナー作のプラモ新作ありがとう:30代)

自分は好きだけれど、一般にはあまり人気のないマイナー作品ってありますよね。そんなマイナー作なのに、なぜかグッズが発売されることがあると、上層部を説得して発売にたどり着いた同年代の開発部員に感謝するしかない、という、感謝と歓喜を表現しています。せっかく販売されたのですから、販売中止にならないよう、大人買いは必須です。

【敗者復活枠】
誰一人 急いでないのに すぐ「待って」(月田茉夜 :20代)

テンションの上がったオタクの語彙力喪失についてはよく言われることですが、中でも真っ先に出てくる言葉「まって」。実はこれ海外のオタクも同じ状況下でまずは「wait」が口から出るので世界共通の現象と言われています。

いかがでしょうか?
第18回あなたが選ぶオタク川柳&猫耳コンテスト、投票受付中です!あなたの推し作品、1票に投票してオタク給付金10万円を獲得してくださいね。

投票はこちら。
第18回あなたが選ぶオタク川柳&猫耳コンテスト投票受付中


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA ImageChange Image

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)