昨夜のニュースで、
「ライドシェア全面解禁 結論先送り」
というものがありました。Uberに代表される、ライドシェアの全面解禁の結論が先送りされた、とのことです。
先進国では、もうライドシェアは導入されて何年も経っているというのに、日本はこういうところで時代からどんどん取り残されています。
ライドシェアが導入された各国では、当然ながらタクシー会社やタクシー運転手の反対運動が展開されるなどしました。特にフランスでは高速道路を占拠したり、放火するなどの過激な反対運動がなされました。
それでどうなったか、ですが、「うまく共存している」のです。
たとえば、空港でライドシェアを使おうとすると、空港駐車場にあるライドシェア待ち合わせ場所のようなところまで移動する必要があります。タクシーは、空港の到着出口の正面に乗車場所があり、すぐに乗れるのに対して、ライドシェアは5分とか10分、荷物を持って歩く必要があります。
さらに、そこでライドシェアを呼ぶので、車が来るまで数分から、場合によっては10分以上待たされることがあります。
また、ラスベガスでは、ホテルの正面玄関はタクシーのみ、裏口のような場所でしか乗れない、というように乗降場所が決められていることもあります。
さて、なぜタクシーが許認可制なのか。
こちらのページに規制は憲法違反ではないか、などと争った例があげられていますが、許認可が必要なのは、
『これらはいずれも行政指導並びに運営面においてそれぞれ是正の道があ(る)』
『自由営業に委ねると一時的,局部的にはともかく全国的長期的な見地からみれば交通の無法状態に陥る危険が大である』
ということらしいです。
「交通の無法状態」ってなんでしょう?
たとえば、遠回りをして高額な運賃を請求したり、というようなことは、実際に私も20年以上前に経験しました。
確かに、ごく一部の心ない運転手がそのような行為をしたことはあったのだろうと思いますが、業界の努力や行政の指導で今はほとんどなくなっているようです。
そして、ここからが重要なのですが、ライドシェアではどの道をいつ通ったかの履歴が記録されますので、遠回りはすぐにばれます。
制度制定の趣旨は、ライドシェアではクリアされている、と考えていいのではないでしょいうか?
ライドシェアは、本当に便利です。いつどこに行ったかの履歴もしっかり取れ、領収書はeメールで届きます。タクシーのいない地域でもライドシェアがあれば、便利に使えます。海外で利用したことのある人で、導入すべきでないと考えている人はいないのではないか?と思うくらいです。
大袈裟に言うと、日本国民にとって大きな損失が、もう、10年以上続いています。
タクシー会社にとっては、損失となるかもしれません。つぶれてしまう会社も出てくるかもしれません。時代の変化やテクノロジーの進歩で、たとえば、レコード針、カセットテープやMDを作る会社は、昔のような業績はあげられていませんよね。レコード針を作る会社のいくつかはつぶれ、多くは業績を下げました。そして多くの従業員は職を失ったのだろうと思います。しかし、ライドシェアでタクシー会社はつぶれるかもしれませんが、運転手は職を失いません。なぜなら、ライドシェア運転手になって稼ぐことができるからです。これは大きな違いではないでしょうか?お笑い芸人が吉本をやめて独立するようなものです。稼げる場合もあれば、稼げなくなる場合もあるというのも同じですね。
最後にひとつライドシェア導入でやってほしいことがあります。
それは自由料金制です。サンフランシスコのUberなどは、混雑時に料金があがります。料金があがると、Uber運転手登録している人に、「料金が高いから、今、運転手すると稼げますよ」という連絡がいき、ソファで寝転がっていた人が、それじゃあ、ひと仕事しようか、ということになります。そして、そういう人がUber運転手をして、混雑がいずれ緩和されると通常料金に戻ります。
上記のように混雑時に高額になった場合の差額については、高齢者が利用した場合は国が負担する、というような方法も良いのではないでしょうか?