ドメイン名には、
.cat
.dog
.horse
などがあります。「.dog」はイヌ、「.horse」は馬ですが、「.cat」は実はネコではないんです。
「.cat」は、スペインのカタルーニャの最初の3文字 catをドメイン名としたもので、カタルーニャ語を話す人々のコミュニティ向けドメイン名として2006年に誕生しました。
誰でも登録できるわけではなく、カタルーニャ語、文化に関係する個人、団体でなければなりません。
「カタルーニャ地方は独立するんじゃないか?そのためにドメイン名 .cat を取得したのでは?」
というような噂がICANN Meetingでも2006年当時から囁かれていました。
まさか、2017年、このような独立運動が現実になるとは思いませんでした。
最近のICANNの資料を見ていたら、カタルーニャ独立運動に関するものが見つかりました。ICANNは文書のやり取りをすべて公開しています。
ICANN Correspondenceのページを見ると、下記のように赤枠で囲ったものが、「.cat」に関するものです。
たとえば、9月17日のコチラ。
「.cat」を運営するpuntCATからICANN CEO宛の文書で、
要約すると、
スペイン政府から10月1日の独立を問う住民投票に関する情報を止めるよう連絡があった、
ということをICANNに報告しています。
独立運動とドメイン名なんて関係なさそうに思いますが、関係しているんですね。
ちなみに、「.cat」を運営するpuntCATのtwitter アカウント @puntcatを見ると、独立については賛成とも反対ともコメントしておらず、表現の自由を守るために戦う、とtweetしています。当局から規制を受けないよう、慎重になっている感じです。
こちらの記事によれば、カタルーニャ独立の住民投票に関連したコンテンツは、裁判所命令により閲覧を制限されてます。いた(いる?)ようです。
閲覧を制限されたウェブサイトには上記が出てきます。
上記の制限はスペイン国内でのみで、日本をはじめ海外からのアクセスには、制限はありません 制限がないと思っていましたが、ご指摘いただき、制限されているようです。ご指摘ありがとうございました。
独立推進派が、閲覧できないという苦情に、「VPNを利用して、海外のIPアドレスで見るように」と言っていたようなので、当初は海外からアクセスできていたものが、海外からもアクセスできなくなったように思えます。
なお、現在、当社では、諸般の事情により、.catの新規登録受け付けは停止させていただいております。
誰も興味を持たないかと思ったので、取り上げていただいてうれしいです。
「上記の制限はスペイン国内でのみで、日本をはじめ海外からのアクセスには、制限はありません。」とありますが、少なくとも東京の当方の勤務先からアクセスすると全部ではありませんが、スペイン政府のブロックページが出て来るようです。
ブロックされるドメイン名の例:
ref1oct.cat, referendum.es, referendum.cat, referendumoctubre1.cat, referendumoct1.cat, 1octreferendum.cat, garantías.cat
スペイン政府のブロックページは出ないものの、Error 404になったドメイン名の例:
ref1oct.eu, referendum.ws
対象となるドメイン名の一覧は、以下URLの2段落目にあります。これで全部という保証はありませんが。
http://www.elnacional.cat/es/politica/juez-proveedoras-bloquear-10-webs-referendum_192105_102.html
貴重なご指摘ありがとうございました。早速本文修正させていただきました。