このままでは、日本はシェアリングエコノミー後進国に。
世界では、配車アプリのUBERと民泊のAirbnbが当たり前になっていますが、日本では民泊が若干規制緩和されたものの、Airbnbの多くはグレーもしくは違法という状況が続いていて、シェアリングエコノミーがまったくもって実感できません。
Airbnbは、実は各地で反対もあり、導入に慎重にならざるを得ないのは理解できます。
アンチAirbnb(民泊)で米では法案、日本でも管理規約変更の動き(2016/01/27)
UBERも、タクシー運転手を中心に反対運動が起きているのは事実です。そして、それらの反対を押し切って、というより住民の支持が多く、各地でUBERは市民権を得、空港や各施設にUBER乗り場が設置されるまでになっています。
フランス パリでは何回か大規模反UBERデモがありました。
「Uberを追放せよ」ストでパリの道路が混乱状態に(2016/01/27)
反「ウーバー」デモが暴徒化、タクシー運転手が道路封鎖 仏(2015/06/25)
また、ラスベガス市は、なかなかUBERを認めませんでしたが、大通りでのUBERの乗降を禁止し、乗降場所を限定するなどして、UBERを認めました。
UBERがラスベガスでも使えるように(2015/09/16)
今では空港にRide Share(UBERやUBERとライバルのLyftなど)乗り場の案内が掲示されています。
昨年、Tech Open Air Berlinというイベントでベルリンに行った時です。
あまりにもUBERの台数が少なくて困っていたところ、メニューをよく見ると、「UBER TAXI」というのがありました。
ベルリンのUBERには、普通のUBER運転手が少なかったのです。UBER TAXIというメニューを利用すると、普通のタクシーが来ますが、行先の指定や支払いはUBER内で済ませることができます。これのおかげで快適に過ごすことができました。
さて、日本のことに戻ります。
日本では、UBER TAXIのみ、認可したらどうでしょうか?
私の提案は、ドイツはUBERも認めていますが、日本国内においては、UBER TAXIのみを認可したらどうか?(※)というものです。
そうすることで、いろいろな問題がクリアされます。
・UBERの主な反対者であった、タクシー運転手にとって損がないどころか、売り上げアップにつながる
・UBER導入における一番の問題である、非職業運転手による運送という問題は、UBER TAXIだけなら、存在しない。
・訪日外国人が増え、外国語対応しなければならないが、UBERを使うことで目的地がはっきりわかり、料金収納も楽である。
(京都駅八条口には外国人用タクシー乗り場がありますが、外国人用タクシーがほとんど来なくて、外国の方が困っているのを見たことがあります)
独自でタクシー配車アプリを作る動きもあるようですが…
NECは98シリーズという、日本でしか通用しないコンピュータを作っていました。Microsoftにも98シリーズ用のMS-DOSやWindowsをNEC98用に特別に作らせていましたが、最終的には、世界標準のDOS/V機となりました。(この英断は素晴らしかったと思います)
ガラパゴスはダメ、というのは、ITの世界では常識です。
もう標準となるアプリがあるのに、
「機能が同じか、それ以上ならいいでしょ?」
っていうのはダメなんです。今さら、Facebookと同じような機能を作っても、絶対にFacebookみたいにならない、というのは、誰でもわかることです。
「圧倒的に上回っている何かがある」
なら別ですが。
もうすでにUBERは圧倒的なユーザー数を抱えて標準となっています。
これまで、ある意味、敵対してきた両者が手を結ぶには、さまざまな障壁があるかも知れません。しかし、ここはひとつ、オリンピック成功のために一肌脱いでもらえないものでしょうか?
小池都知事がアウフヘーベンということを以前おっしゃったようです。小池知事がどういう意味でおっしゃったか、私は存じ上げませんが、弁証法においては、アウフヘーベンとは矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること、です。
対立してきたUBERとタクシー業界が手を結び、高い境地に至る、これこそアウフヘーベンではないでしょうか?
※実際にはすでにUBER TAXIメニューは日本でも存在します。認可すら必要なく、タクシー事業者とUBERが契約すればいいだけかも知れません。