先日、とある国際学会で論文の発表をしてきました。
国際学会でのプレゼンは、発表そのものよりも、その後の質疑応答がドキドキです。
質問する側も、質問される側の私も、英語のネイティブスピーカーとは限りません。お互いに英語が母国語ではないので、質問の意味がよくわからなかったり、こちらの回答がうまく伝わらなかったりします。特にインド人の英語が理解できません。
ときには、「あとでメールしてください」といった、いかにも逃げ口上らしい回答を見かけることもあります。
そこで今回、私は秘密兵器を開発しました。
AIとスマートグラスを組み合わせた、国際会議用質疑応答支援システムです。(AI:Claude Code, 音声入力 Typeless)
仕組みはこうです。
- 事前に発表する論文をAIに読ませておく。
- 質問が始まったら、その音声をAIに入力する。
- 質問が終わったところでENTERキーを押す。
- AIが質問に対する英語の回答を作成する。
- 回答をスマートグラスに表示する。
- 私はスマートグラスに表示された英語を読むだけ。
これなら、英語で質問されても怖くありません。
私の発表は学会の2日目だったので、1日目のセッションで実験することにしました。
まず、そのセッションで発表される論文を事前にAIに読ませておきます。
そして、実際の質疑応答が始まったら、質問をAIに音声入力。質問が終わったところでENTERキーを押します。
すると、スマートグラスに回答が表示されます。
これが、驚くほどうまくいきました。
念のため、質問とAIが作成した回答を、その分野が専門の大学教授に見てもらいました。
すると、教授からは、
「完璧な回答です」
とのお墨付きをいただきました。
これはすごい!
ただし、ひとつ問題があります。
ENTERキーを押してからAIが回答を作成するまで、約4秒かかるのです。
質問が終わったあと、4秒間も黙っていたら、ちょっと不自然です。
そこで私は、その4秒間をどうやって埋めるか考えました。
「Thank you for your question. You are talking about …」
(ご質問ありがとうございます。あなたがおっしゃっているのは……)
ここまで言えば、なんとか4秒くらいは稼げそうです。
あとはスマートグラスに表示された回答を読めばいいだけ。
完璧です。
これで、どんな難しい質問が来ても大丈夫。
もはや、質疑応答が怖いどころか、どんな質問が来るのか楽しみになってきました。
そして、いよいよ発表当日。
私は自信満々でプレゼンを終え、質疑応答の時間を迎えました。
質問が来ました。
よし、秘密兵器の出番です。
さっそく音声入力を起動しようとしたのですが……
起動できません。
あれ?
何度やってもダメです。
そして、ようやく原因がわかりました。
なんと、その会議室にはWi-Fiが届いていなかったのです。
