カテゴリー別アーカイブ: ドメイン

カタルーニャ独立運動とドメイン名「.cat」

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 ドメイン名には、

.cat

.dog

.horse

などがあります。「.dog」はイヌ、「.horse」は馬ですが、「.cat」は実はネコではないんです。 

「.cat」は、スペインのカタルーニャの最初の3文字 catをドメイン名としたもので、カタルーニャ語を話す人々のコミュニティ向けドメイン名として2006年に誕生しました。

誰でも登録できるわけではなく、カタルーニャ語、文化に関係する個人、団体でなければなりません。

「カタルーニャ地方は独立するんじゃないか?そのためにドメイン名 .cat を取得したのでは?」

というような噂がICANN Meetingでも2006年当時から囁かれていました。

まさか、2017年、このような独立運動が現実になるとは思いませんでした。

 

最近のICANNの資料を見ていたら、カタルーニャ独立運動に関するものが見つかりました。ICANNは文書のやり取りをすべて公開しています。

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2chが5chになった件で、ドメイン名紛争を中心に解説します

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2ちゃんねるが突然、5ちゃんねるになって驚いた方も多いかと思います。私も驚きました。

 

「2ちゃんねる」が「5ちゃんねる」に変わる(NHK News Web)

 

この件について、特にドメイン名紛争について解説します。

2ちゃんねるは、2ch.netというドメイン名で運用されていました。

このドメイン名の所有を巡って、2ちゃんねる創始者の西村博之氏とRace Queen Inc.との間で、どちらが所有者なのか?で争いが起きました。

2016年西村氏は、世界知的所有権機関(WIPO)に、自身が真の所有者であるという申し立てをします。

商標権を侵害され、ドメイン名が乗っ取られた時に、取り戻す方法としては、UDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)というものがあります。

流れとしては、下記の通りです。

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WannaCryヒーローがFBIに逮捕

WannaCryアタックを、ドメイン登録で止めたヒーロー、弱冠23歳のセキュリティアナリストがFBIに逮捕されました。

 詳細はこちらのリンクをご覧下さい。

Briton who stopped WannaCry attack arrested over separate malware claims(theguardian 2017/8/3)

ヒーローがFBIに逮捕されるという、急転直下、驚天動地、スリルとサスペンスのアメリカのテレビドラマを見ているようです。

8/3に一報があってから経過を見守っているのですが、続報はないようなので、テレビドラマだとしたら、このあとの展開がどうなるかを勝手に考えてみました。

・逮捕されたことで恨みを抱き、FBIやアメリカに復讐する。ヒーローがダークサイドに墜ちるパターン。スターウォーズのダースベイダーですね。

・元々ダークサイドだったことを、正義の味方FBIが暴いた。ダークサイドから改心し、今後、FBIとともに活躍し、真のヒーローになる。

などと妄想してしまいます。

 このように米国ではびっくりするような展開でしたが、日本ではどうなったかと言うと・・・

 当社が取得したキルスイッチかもしれないドメインは、総務省にご紹介いただいた、国立のサイバーセキュリティ関係の研究所にお譲りしました。

 という、とても地味な展開でした。日本のサイバーセキュリティの向上のため、ドメインが少しでもお役に立てば、という考えからこのようにしました。

 

ICANN49 ヨハネスブルグ報告会

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8月8日、ICANN49 ヨハネスブルグ報告会がJPNIC主催で行われました。

当社から、ウィリアムズが

『レジストリ・レジストラ関連状況報告』

をさせていただきました。

レジストリ・レジストラ関連では、whoisの正確性をあげる、という取り組みが少しずつですが進んでいます。

ICANNミーティングでは、メンバー限定会議や、同じ時間帯に複数の会議があったりして、すべての会議に出ることは不可能なのですが、ICANN報告会で一通りのことが理解できますので、おすすめです。

Amazonが、やっとドメイン「 .amazon」をゲット

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 アマゾン社はICANNに「.amazon」、「.アマゾン」、「亚马逊」(中国語)を申請し、却下されていましたが、やっと認可されました。

 なぜ却下されたか、ですが、ブラジルやペルーの代表が、amazonは地域名であるとアピールしたからです。

 GAC(ICANNの政府諮問委員会)は、アマゾン社の3つのTLDを却下すべきという答申を理事会に出しました。

 ICANN理事会は、GACの答申に従わなければいけないわけではないのですが、2014年5月14日、ICANN理事会はこのGACアドバイスに従い、正式にアマゾン社の申請を却下しました。

 ただ、これで終わりではなく、ICANNの仕組みがよくできていると思うのですが、ICANNの決定に不服の場合は、第3者委員会に訴えることができ、アマゾン社はこの第3者委員会に訴え、最終的に、.amazonの申請を却下する根拠はないと判断されたのです。

アマゾン社の訴えの中には、

ブラジルにはイピランガという川があり、地域名としても使われているが、同名の石油会社もあり、その会社が、.ipirangaを申請し、それは認可されている。アマゾンも同様に認可されるべきだ。

というのがありました。たしかに、この主張は理にかなっていますね。

 アマゾン社が第3者委員会に使った163,045.51 ドルを、ICANNが支払うこととなりました。

 実は、アウトドア用品で有名なパタゴニアは、.patagoniaを申請していたのですが、アマゾン同様、地域名であるからと却下され、申請をあきらめてしまいました。粘っていれば、取得できたかも知れません。

関連記事:Governments slammed for overreach as Amazon wins gTLD appeal

ICANNの正式な文書はこちら

2019年ICANN神戸開催決定

南アフリカ ヨハネスブルグで開催されている第59回ICANNミーティングで、2019年第64回ICANNミーティングが神戸で開催されることが決定しました。

ICANNミーティング一覧ページ

2000年の第6回ICANNミーティングが横浜で開催されて以来、日本で開催されるのは2度目となります。

2007年以降は、ロゴが作られていて、各地域独自デザインのロゴでした。

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 左:2008ニューデリー、右:2011サンフランシスコ

 

それが2015年からは、開催地独自のデザインではなく、年度毎に同じフォーマットになっています。

 

2015年はコチラ。 

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2017年はコチラ。

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2019年はどういうロゴになるか、わかりませんが、個人的には、地域性を表すロゴが復活してほしいと思います。

インターリンクは世界規模で被害拡大のランサムウェアから世界を救ったのか?!

昨日のブログ『世界規模のランサムウェア攻撃「WannaCry」はドメイン名登録で止まる?!』で書いた件ですが、その後、様々な日本語の記事が掲載されました。

 

「ランサムウェアの拡大から世界を救った22歳」(Business Insider Japan)

 

「全世界的なランサム・ウェアの攻撃を偶然の発見で停止できたようだ」(TechCrunch Japan)

 

一般の方にもわかりやすく簡単に説明すると、

ランサムウェアWannaCryの拡大を止める、スイッチが存在して、それは「特定のドメイン名を登録し有効化すること」だった。

22歳のアナリストが、そのスイッチの1つを偶然発見した。

スイッチとなったドメイン名は、

iuqerfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com

です。(たとえば、と但し書きをつけつつも、このドメイン名を昨日の私のブログで公表しています。ICANNのメーリングリストで情報を得ました。)

その後、世界中のエンジニアが解析をし、解析情報をtwitterで報告するなどして、上記以外に4つのスイッチを発見しました。

ayylmaotjhsstasdfasdfasdfasdfasdfasdfasdf.com
ifferfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com
iuqerfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergweb.com
iuqssfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com

そして、有志がこれらのドメイン名を取得し、ランサムウェアの拡大を止めるということが行われていました。日本時間で5/16の午後のことです。

当社ではいち早くこの情報を入手し、上記4つのドメインの登録状況を調べたところ、1つが未登録であることがわかり、急遽、そのドメイン名を取得し、ランサムウェアの拡大を止める手助けをすることとしました。

当社がランサムウェア拡大を防ぐために取得したドメイン名は、

iuqerfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergweb.com

です。

 

キルスイッチを発見した22歳のアナリストですら、拡大を止めたという確認に時間がかかっているので、当社が登録したドメイン名が拡大を止めたかどうか、現時点ではわかりませんが、入手可能な情報に基づき、インターネットの安定のためになすべきことをなした、と考えております。

世界規模のランサムウェア攻撃「WannaCry」はドメイン名登録で止まる?!

Cybersecurity

今、世界中で話題のランサムウェア「WannaCry」を、ドメイン名を登録することで止められるかも知れません。

http://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/news/nhs-cyber-attack-ransomware-wannacry-accidentally-discovers-kill-switch-domain-name-gwea-a7733866.html

22歳のサイバーセキュリティアナリストがドメインを登録することで、多くのWannaCryをシャットダウンさせました。

コードの中にとある登録されていないドメイン名を見つけ、それがきっと鍵に違いないと思ってドメイン名を登録したそうです。

ハッカーは、ドメイン名をキルスイッチとして、使っているようです。

つまり、あるドメイン、たとえば

「iuqerfsodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com」

を登録すると、攻撃が止まるのです。

WannaCryの警告に応じて、被害者がビットコインを支払うと、ハッカーは、ドメイン名を取得しているのでしょうか。

まだ本情報は、各種セキュリティ団体が認めたものではありませんので、取扱には注意をお願いします。

なにそれうまいの?なマストドンで .moeが人気

マストドンって、このごろIT界隈で流行っています。

名前だけ聞くと、なにそれうまいの?という感じですが、

本当は、マンモスみたいなものらしいです。wikipedia

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これが今、そこらじゅうにいる、

のではなくて、マストドンという名前のサービスがすごく注目を浴びています。

わかりやすく言うと、分散型twitterで、各自でサーバー持てる、というものです。

詳しくは産経の記事などをご覧ください。

さて、今日、話題にしたいのは、そのマストドンで使われているドメインで、なんと、.moeが人気なんです。(*1)

普通、.comとか、.netを使うのが標準ですが、マストドン使うような流行の最先端を行く人は、新gTLDをすごく使っていて、

新gTLD(moeなど) 330サイト!!!

レガシードメイン(com,netなど) 285サイト

国別ドメイン(jpなど) 320サイト

新gTLDは、レガシードメインよりも価格も高いのに、これだけ使ってもらえています。

新gTLDの上位5ドメインは、

social 58サイト

club 29サイト

xyz 22サイト

space 18サイト

moe 13サイト

となっています。

マストドンがソーシャルネットワーキングスペースなので、socialが1位なのは納得です。clubやspaceも同様に、サービスを表す名称として利用されているのだと思います。

xyzがランキング入りしているのは、価格が特に安いためでしょう。

そんな中、.moeを使ってもらえているのは、とてもうれしいです。

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(*1)こちらのページにあるリストより調査しました。調査には慎重を期しておりますが、万一誤りがあった場合はご容赦ください。

 

大阪万博、2025年誘致とドメイン

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2025年の万博を大阪に誘致する、ということで、ダウンタウンがアンバサダーになったというニュースがありました。

ダウンタウン 大阪万博誘致アンバサダー就任「な・に・も・な・し」

ドメインを売買して儲けるドメイナーは、こういうニュースに敏感で、2025、osaka、expoというような文字列の入ったドメインを取得したりします。

実際、osaka2025.jpやosaka2025.comは2016年9月下旬に登録されているので、万博誘致のニュースをその頃に見た人が、登録したのかも知れませんし、誘致委員会が念のため取得したのかも知れません。あるいは、まったく万博と関係なく、osaka2025という会社の人が取得したのかも知れません。

では、.osakaではどうか、と言うと、多くのドメインをリザーブ(予約語)として一般には取得できないようになっています。

 リザーブされているのは、expo.osaka、banpaku.osakaをはじめ、expo2025.osaka, 2025expo.osakaなどなど、数十のドメインにのぼります。

オリンピックは、公式ページは olympic.orgに統一されていて、

ロンドン
https://www.olympic.org/london-2012
リオ
https://www.olympic.org/rio-2016
東京
https://www.olympic.org/tokyo-2020

となっています。

万博はいろいろで、

2005愛知
http://www.expo2005.or.jp/jp/
2010上海
http://jp.expo2010.cn (Wikipediaより。現在閲覧不可)
2015ミラノ
http://www.expo2015.org
2020 ドバイ
http://expo2020dubai.ae

上記を見ると、ミラノ以外はすべて国別ドメインなので、.jpとなる可能性が高そうです。