第14回となったオタク川柳大賞の投票がはじまりました。
今年は、「地下鉄に乗るっ」プロジェクトで太秦萌をはじめとするキャラクターのポスターやアニメを展開している、京都市交通局とコラボして、特別賞「太秦萌賞」も用意させていただきました。
グランプリ候補は、下記の20句となります。太秦萌賞については、グランプリとのダブル受賞もあり得ます。では解説をしていきましょう。
●<太秦萌賞> つり革に やっと届いた あの日から (盟主クサイ:30代)
京都市交通局様が選んでくださったアニメのワンシーンのように美しい句です。
●ありがとう 推しが生きてる それだけで (青い涙:40代)
結婚しようとも解散しようともただ生きていてくれればよいという、見返りを求めない究極のファンの姿を描きました。
●おっさんも 恋する時代に おれたちは (母親が妙に優しい放映後:30代)
大人気ドラマにおけるおっさんたちのピュアな恋愛と自分たちの現実との落差が物悲しいです。
●細胞は はたらいてるが 俺無職 (はたらけない才能:50代)
すでに海外でも人気のアニメ「はたらく細胞」
働かない私の中でもはたらいていることに感動を覚えざるを得ません。
●魂を 売って転売 品買うな (転売屋は悪魔:20代)
転売屋へ支払った高額のお金は推しには渡りませんので、転売品を買うような魂を売る行為は我慢しましょうという、転売屋撲滅運動の標語的な句。
●隠しても 所作にオタクが ひょっこりはん (おたばれ荘:40代)
隠れヲタの隠しきれないオタク臭が人気芸人さんによって可視化されています。
●ま ま 満足 買ったら 満足 ま ま 満足 (恋する サボテンちゃん:40代)
オタクの物欲が満たされた時の幸福感があのCMのリズムにぴったりはまった句です。また、CDを聴いたり、ポスターを飾ったりすることでなく、買ったことだけで満足感を得るオタク特有の性癖もうまく表現しました。
●プリキュアに きっと僕らも なれるよね (夢見る成人男性:20代)
男の子もプリキュアになれることで大きな話題となりました。変わらない味と言われる老舗和菓子店が、実は時代に合わせて微妙に味を変えていると言いますが、不朽の名作プリキュアも、男子中学生がスカートの制服を選べる現代という時代に合わせていっているのでしょう。
●沼の水 抜いたらオタク 大量死 (絶滅危惧亭主:40代)
たとえば、BLにはまっていることをBLの沼にはまった、というような表現をします。
オタクというのは、何かしらかの沼にはまっていると言えるわけで、沼の水がもし抜かれてしまうとオタクだけが干上がって出てくることになります。池の水を全部抜く特番をしているテレ東に、池の水は抜いても、沼の水は抜くな、という警鐘の句です。
●天才と バカとオタクは 神一重 (風まかせ:60代)
赤塚不二夫が天才バカボンで、天才とバカは紙一重ということを知らしめましたが、そこにオタクも取り入れ、さらに神一重としたところにセンスを感じます。とにかくみな突き抜けています。神一重がどのくらいの差なのか、とても気になります。
●インスタに 映えぬ日常 生える草 (うーるちゃん:20代)
オタクのインスタ映えなんてwwwwwwwww という句でしょうか。
●味付けと 本は薄めの ほうがいい (まさしお:30代)
ちょっとメタボなオタクには薄味と薄い本(=同人誌)が大切です。
●いやいやいや 上には上が いますので(デュフフフフ:20代)
褒められてとてもうれしく、オタク特有の含み笑いをしてしまう様子がペンネームから伝わってきますがとても謙虚です。
●新元号 オレの中では 「絆愛」 (♪わたしーはあーいのぶいちゅーばー:50代)
人気バーチャルYouTuberキズナアイを連想する美しい漢字です。
●おまいらと 夏の思い出 コミケ雲 (雨海正和:40代)
オタクたちの汗と涙の凝結を美しいアニメのように表現していますが、実際は、熱気と臭気の戦場です。
●平成を ジャンプどころか ワープした (40代後半未婚:40代)
平成を未婚のまま通り過ぎる昭和生まれの人が平成ジャンプとよばれていますが、ジャンプどころか、ワープしたということなので、いまだ30年前の10代の少年少女のような心をもっているということなのでしょう。
●二次元と 筋肉だけは 裏切らない (四苦八苦スル:30代)
流行語「筋肉は裏切らない」の強さで二次元への信頼をうたった句。
●みうらじゅん いとうせいこう 山田五郎 (フンガー:40代)
サブカルの大御所がそのまま5・7・5のオタク川柳になりました。百万遍となえてもご利益はありません。(多分)
●ご希望の お席がご用意 できました (このためにちょっと祈る:40代)
ファンイベントで抽選が行われ、当選したときにこの文字を見ることになります。
この文字を見たくて親戚一同の名前を借りあらゆる手を尽くすオタクの様子が目に浮かびます。
●<敗者復活枠> こしと粒 きのこたけのこ 受けと攻め (戦いは終わらない:30代)
こしあん派か粒あん派か、きのこ派かたけのこ派か、受け派か攻め派か、こだわりあるオタクの戦いは今日も続いています。
以上、いかがでしたでしょうか?
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