メタ社がこれまで行っていたファクトチェックをやめる、というニュースが流れました。
「え?やってたの!?」
と思ってしまったのは、私だけではないのではないでしょうか。これまでもFacebookなどで著名人になりすました広告が横行し被害も出て、訴訟が起きています。
“著名人なりすまし広告” メタを一斉提訴 全国5地裁(NHK News Web)
さて、ファクトチェックをやめるというニュースをよく読むと、
「第三者が提供するファクトチェック」を「米国で終了」だそうです(日経新聞)
Facebookのページによれば、日本での第三者が提供するファクトチェックは、2024年9月に一般社団法人リトマスと提携し、お願いしていたようです。
一般社団法人リトマスを調べると、代表含めてメンバーは8人、代表は会社員が本業とのこと。リトマスとは
総務省のデジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第20回)でリトマスが発表しています。
ファクトチェックに関して、日本のナンバーワンであるかどうかはわかりませんが、数少ない団体の一つであると考えて良さそうです。
ある投稿について、「あ、怪しいな」とか「これは信用できない」と思うのは自由ですし、すぐにできますが、真実でないということを客観的に証明することはとても大変で、ファクトチェックは相当な労力をかけないと、一つの投稿が真実かどうかを判定できないと思います。
メタ社がこの記事についてファクトチェックをしてくれというように具体的に依頼しているのか、それともリトマス側に全面的におまかせでファクトチェックしているのか、契約内容がわかりませんが、8名だとFacebookのごくごくほんの一部しかチェックできないだろうと容易に予測できます。
メタ社としては、もっとお金をかけて多くの団体にお願いしたいが、ファクトチェック団体がない、というのもあるかもしれません。
第三者によるファクトチェックを米国で終了する、とのことですから、日本ではどうなるのでしょうか?2024年9月に提携したばかりのリトマスがこれで切られてしまうのは、ちょっとかわいそうな気がします。
表現の自由と投稿の真実性という問題は、なかなか難しい問題で、時間はかかっても良い解決策が見つかってほしいです。
なお、広告については、広告料金をもらっている運営会社が厳しくチェックすべきで、著名人なりすましについては、メタ社がしっかり対応していただきたいと思います。