AIも人間同様、指示をちゃんと聞いてくれないことがある

ChatGPTに代表される、生成AIは本当に便利で、私は課金して毎日使っています。

最近では Googleで検索せずに、ChatGPTに聞くことのほうが多くなっています。

さて、ChatGPTはWordファイルをそのまま読み込んで、修正などしてくれます。

指示した通りやってくれればいいんですが、たまに間違えるんですよね。

どういう風に間違えるか、下記にまとめてみました。ChatGPT 4oでの結果です。

下記のようなWordファイルがあります。

「あなた:」から「させたい。」までを赤太字にしたいという案件です。このファイルには、「あなた:」からはじまる部分が数十箇所あるので、一気に変換したいのです。

そこで、ChatGPTに指示を出しました。最初の、「これでいいです」は直前の結果がよかったので書きましたが、ここでは気にしないでください。

1回目の指示はこちら      ↓

修正が完了したというので、ファイルを開いてみると、

「ChatGPT:」まで赤太字になっています。

人に依頼した時も、こういうことってありますよね。依頼した内容がうまく伝わらずに違う結果が出てしまうことって。

そこで、下記のように依頼しました。

2回目の指示はこちら           ↓

これなら直っているだろうと文書ファイルを開けてみます。

なんと、まだ「ChatGPT:」は赤太字にままでした。

しかたない、もっとわかりやすい指示にしようということで、下記の指示をしました。

3回目の指示はこちら           ↓

ワードファイルを開けてみます。  

やっと意図した通りの結果になりました。

たったこれだけのことをするのに、3回も指示が必要なんて、事務員でこんなことをする人はいないですよね。その意味ではちょっとどうかなと思いますが、数10箇所を一瞬でやってくれて、スピードは圧倒的に早いので、総合的にはChatGPTの方がいいかなとも思います。

また、2回目の指示については、1回目に出力された、すでに「あなた:」から「ChatGPT:」まで赤太字になった文書に対して、作業してしまったために、「ChatGPT:」が赤太字のままになったのかもしれません。元のファイルに対して修正、と明示すればうまくいったかも。その意味では、指示が不明瞭だった、とも言えそうです。

いずれにせよ、人を使うにしても、ChatGPTを使うにしても、適切な指示は必要、という、なんだか、「指示を出す人が守らなければいけない、たった一つのこと」みたいな教訓が出てきたところで、本稿を終わります。

追記:ちなみに冒頭の画像は、「AIも人間同様、指示をちゃんと聞いてくれないことがある」というブログを書いたので、適切な画像を生成して、とChatGPTに依頼したものです。ぴったりの画像になってます。

17年ゼミと13年ゼミから考えるハイブリッドの将来

2024年、221年に一度の大イベントがアメリカでありました。

しかも、それはヒトが主催したイベントではありません。

「素数ゼミ」2024年アメリカで1兆匹の大量発生へ 221年に一度の数学と自然の神秘

そうです、日本でもミンミンゼミ、ツクツクホーシなどがいますが、蝉が大発生する年でした。

素数ゼミ あるいは、 周期ゼミ と呼ばれるもので、17年で成虫となる蝉を17年ゼミ、13年のものを13年ゼミと呼びます。

17年ゼミと13年ゼミが成虫で出会うのは、221年に一度しかありません!

これはぜひ、アメリカに見に行こうと思ったのですが、その時すでに6月末で、大発生時期はほぼ終わっていて、あきらめました。それと、17年ゼミと13年ゼミは地域的に重なりが少ないので、両方見れる地域はほんの少ししかないこともわかりました。2024年の次の221年後に行こうとすると、タイムマシンに乗るしかなさそうです。

さて、その17年ゼミと13年ゼミ、221年ぶりに出会って、恋に落ちることもあるそうです。

交雑種のことをハイブリッドと呼びますが、17年ゼミと13年ゼミのハイブリッドは周期が乱れてしまい、その後、絶えてしまうそうです。(「周期ゼミ」Wikipedia

ガラパゴス諸島のウミイグアナとリクイグアナは、温暖化の影響で交配し、ハイブリッドイグアナが生まれているそうです。

ハイブリッドイグアナは、雑種ではあるものの鋭い爪をそなえており、サボテンに登りそれを食べることができ、また海に潜り海草も食べることができる。この優れた身体能力によって、陸上のサボテンと海中の海草のいずれも食べることができる

とWikipediaにあるように、ハイブリッドイグアナは両方のいいところを持っているとのこと。

ただし、繁殖能力はないそうです。結局、種としては絶えてしまいます。


日産とホンダの提携交渉が破談になりました。

ガソリンと電気のハイブリッド車全盛の中、電気自動車に力を入れ、ハイブリッドを作らず売上が低迷している日産と、電気自動車は弱いがハイブリッド車に強く、現在の時価総額は日産の約5倍のホンダ。

生物であれば、ハイブリッドは絶えてしまいますが、自動車はどうなるのでしょう?

こうなったら、ハイブリッドに目を向けず、最終的に生き残るのは、電気自動車と信じて、電気一本足打法で日産には頑張ってほしいと個人的には思ったりします。

ソフトバンクGとOpenAIが作るAIがCristalで、Crystalではないのはなぜか

昨日、ソフトバンクグループとOpen AI社が合弁会社を作り、「Cristal」というAIを開発する、というニュースが流れました。

ソフトバンクG×OpenAI、新たな生成AI「Cristal」を開発‐利用料は年間4500億円 – Tech+

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、水晶を持って記者発表をしていました。

水晶で未来を占っていたが、今後は、AIがそれに代わる、という意味なんでしょうね。

さて、新たな生成AIの名前が「クリスタル」ですが、「Cristal」という表記です。

「え!? 水晶なら Crystal ではないの?」

と思いますよね。


まず、Cristalというのがどういう意味になるのか、調べてみると、

・フランス語では、水晶という意味

・米国のスラングで、違法薬物の一種を指す

とのこと。ただし、Crystal でも違法薬物の意味があるようです。

なぜ Crystalではなく、Cristal なのか、多分こうではないか?ということを今日は書きます。


①単なる誤字?(え?笑)

実は Google という社名は、単なる誤字だった、ということはご存知でしょうか?

当初、検索エンジンの名前にしようとしたのは「googol」です。

「googol」は、1の後にゼロが 100 個並んだ値を表す数学用語で、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命にふさわしい名前と考えていました。

タイプミスで google.com を取得してしまい、結果的にそれを検索エンジン名としたのです。

Googleはタイプミスによって誕生した – あなたの知らないドメインの世界

スタートアップまもないGoogleならあり得ても、巨大企業ソフトバンクグループが間違えるとは思えません。この線はないでしょう。

②ドメイン名を取るため

Crystal は一般名詞ですので、ドメインはもう取得されていて取りづらいだろうということが考えられます。そこで、わざとCristalとした、ということも考えられます。

たとえば、Uberと同様のサービスを米国とカナダでしているLyftは、LiftではなくLyftにしています。割とIT系では、よくやるパターンです。

そこで、Cristal.com, Cristal.jp, Cristal.ai を調べてみたところ、すべて誰かに取られていて、まとめると下記のようになります。

ドメイン名 取得時期 状況
cristal.com 1996 運用中とは言えないレベル
cristal.jp 2024/6 即決価格8500ドルで販売中
cristal.ai 2020/5 販売中(価格相談)

jpとaiのWebページは転送され、下記のようにFor Saleとなっています。

もし、ドメイン名が理由なら、発表前に取得するはずです。

なぜなら発表後だと、値段が吊り上がってしまう可能性があるからです。

発表直前にドメイン情報が書き換わっている様子はないので、ソフトバンクグループがドメインを取得したようには見えません。

どうやらドメイン名が理由ではなかったようです。

③商標登録や検索のしやすさのため

Crystalでは商標登録も難しいことが予想されます。そこで、わざとCristalとしたという可能性があります。

また、インターネットで検索するときに、Crystalであれば、水晶のつもりで検索する人も多くいるはずで、検索結果が混乱する可能性が高いです。

Cristal であれば、混同されることはありません。


上記から、Crystalではなく Cristalにしたのは、

③商標登録や検索のしやすさのため

ではないかなというのが私の見解です。

実は、②ドメイン名を取るため③商標登録や検索のしやすさのため、は両方を狙っている場合も結構あります。Lyftなんかは②③の両方の狙いがあったのではないかと思います。

LyftはLiftのiをyに変更

CristalはCrystalのyをiに変更

ちょっと似てますね。