昨日、ソフトバンクグループとOpen AI社が合弁会社を作り、「Cristal」というAIを開発する、というニュースが流れました。
ソフトバンクG×OpenAI、新たな生成AI「Cristal」を開発‐利用料は年間4500億円 – Tech+
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、水晶を持って記者発表をしていました。
水晶で未来を占っていたが、今後は、AIがそれに代わる、という意味なんでしょうね。
さて、新たな生成AIの名前が「クリスタル」ですが、「Cristal」という表記です。
「え!? 水晶なら Crystal ではないの?」
と思いますよね。
まず、Cristalというのがどういう意味になるのか、調べてみると、
・フランス語では、水晶という意味
・米国のスラングで、違法薬物の一種を指す
とのこと。ただし、Crystal でも違法薬物の意味があるようです。
なぜ Crystalではなく、Cristal なのか、多分こうではないか?ということを今日は書きます。
①単なる誤字?(え?笑)
実は Google という社名は、単なる誤字だった、ということはご存知でしょうか?
当初、検索エンジンの名前にしようとしたのは「googol」です。
「googol」は、1の後にゼロが 100 個並んだ値を表す数学用語で、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命にふさわしい名前と考えていました。
タイプミスで google.com を取得してしまい、結果的にそれを検索エンジン名としたのです。
Googleはタイプミスによって誕生した – あなたの知らないドメインの世界
スタートアップまもないGoogleならあり得ても、巨大企業ソフトバンクグループが間違えるとは思えません。この線はないでしょう。
②ドメイン名を取るため
Crystal は一般名詞ですので、ドメインはもう取得されていて取りづらいだろうということが考えられます。そこで、わざとCristalとした、ということも考えられます。
たとえば、Uberと同様のサービスを米国とカナダでしているLyftは、LiftではなくLyftにしています。割とIT系では、よくやるパターンです。
そこで、Cristal.com, Cristal.jp, Cristal.ai を調べてみたところ、すべて誰かに取られていて、まとめると下記のようになります。
ドメイン名 | 取得時期 | 状況 |
cristal.com | 1996 | 運用中とは言えないレベル |
cristal.jp | 2024/6 | 即決価格8500ドルで販売中 |
cristal.ai | 2020/5 | 販売中(価格相談) |
jpとaiのWebページは転送され、下記のようにFor Saleとなっています。
もし、ドメイン名が理由なら、発表前に取得するはずです。
なぜなら発表後だと、値段が吊り上がってしまう可能性があるからです。
発表直前にドメイン情報が書き換わっている様子はないので、ソフトバンクグループがドメインを取得したようには見えません。
どうやらドメイン名が理由ではなかったようです。
③商標登録や検索のしやすさのため
Crystalでは商標登録も難しいことが予想されます。そこで、わざとCristalとしたという可能性があります。
また、インターネットで検索するときに、Crystalであれば、水晶のつもりで検索する人も多くいるはずで、検索結果が混乱する可能性が高いです。
Cristal であれば、混同されることはありません。
上記から、Crystalではなく Cristalにしたのは、
③商標登録や検索のしやすさのため
ではないかなというのが私の見解です。
実は、②ドメイン名を取るためと③商標登録や検索のしやすさのため、は両方を狙っている場合も結構あります。Lyftなんかは②③の両方の狙いがあったのではないかと思います。
LyftはLiftのiをyに変更
CristalはCrystalのyをiに変更
ちょっと似てますね。