野口悠紀夫さんが、たしか「超・整理法」の著書の中で、
「たいていの仕事は、転記だ」
ということを書いておられました。
業務に必要な本を買う
↓
書店は領収書を出す 「日付、金額」
↓
社内決済用の書類を書く 「日付、金額、書名、購入者、用途」
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会計担当者は、会計ソフトに入れる 「日付、金額、書名、購入者、用途」
本を買うだけでも、これだけの転記(=仕事)が発生します。
野口悠紀夫さんの主張は、ちょっと乱暴にしてまとめてしまうと、
「転記を楽にするために、データ化しろ」です。
個人での処世術としては最高の方法だと思いますが、私は社会規模での最適化を考えてみたいと思います。
たとえば、アドレス帳。
私の名前と電話番号は、多くの人の携帯に入っています。
それぞれの人がほぼ自分で入力しているわけです。
同じデータなのに、複数の人が入力している、これはちょっとした無駄ですね。
中には、赤外線を使ってデータ交換した方もいます。
その方はデータ入力の手間は省けています。一歩先に行ってます。
でも例えば、私の携帯番号が変わってしまったら・・・
自分でデータ入力をした人はもちろん、赤外線交換した人も、もう一度同じ作業が必要です。
さて、自分のデータがどこかに保存されていたら、どうでしょう?
横山 正 携帯番号 090-xxxx-xxxx
というデータがどこかに保存されていて、アドレス帳が自動的にそこからデータを持ってくるとしたら?
いつでも最新のデータが入ります。自分でデータ入力する必要がなくなります。
社会全体で、データ入力の手間が省けることになるわけです。
電話番号を教えることは、番号自体を教えるのではなく、私のデータを引き出す権限を与える、という感じになります。
もうあの人から電話かかってほしくない、という場合、データを引き出す権限を削除する、という使い方もできますね。
ドットテル(.tel) がやろうとしているのは、こんなことではないでしょうか?
アドレス帳とうまく同期できたらすごいのに、という話でした。