シリコンバレーバンク破綻

米国のシリコンバレーバンク(以後、svbと表記)が3月10日に破綻、当初は救済しない、という話でした。日本では1000万円まで預金保険があります。米銀の場合は、25万ドルまで預金保護されるのですが、svbの預金額の89%が預金保護の対象外ということで、もし保護されないとなると、シリコンバレーの会社では給料が支払われなくなったり、資金ショートでつぶれるスタートアップが続出するのではないか、と思われました。(参考:ロイター

しかし、3日間で急転直下、預金が全額保護されることになったとのこと。

svbは、スタートアップやベンチャー向けに特化した銀行で、資産規模は全米で16位。これまでに破綻した米銀の中では史上2番目の規模というから、相当なものですね。

全額保護される、と聞いて、他人事ながら安心しました。

スタートアップやベンチャーは、側から見れば華やかな世界に見えるかもしれません。でも実際は、華やかなスポットを浴びるのは、ほんのごく一部ですし、そのスポットを浴びている企業も、3ヶ月単位くらいで資金調達をしながら、ぎりぎりのところでやってきたのです。スタートアップやベンチャーは基本的にずっと赤字で(Amazonが良い例ですね)、それをエンジェル投資家、一般投資家、svbのような銀行が支援しています。svbに口座があるのは、スタートアップ、ベンチャー企業だけでなく、投資家も多く、もしsvbの預金が保護されないと、そういったスタートアップ、ベンチャーの生態系が壊れていまうことになりかねません。

今回の措置で、とりあえずその危機は去ったようです。

しかし、今後、銀行が破綻するたびに全額保護とか、できるんだろうか?ある銀行は全額保護し、別の銀行は全額保護しない、というような差別をできるんだろうか?

そんなことを考えてしまいました。