先日、大学教授の方々とお話をした際、「造船」が重要政策に一つになっている、という話題になりました。
実際にどのような政策にするのか、単なる補助金支援では面白くないのではないか、といった具合に、自然とディスカッションになっていきました。(やはり大学教授という方は議論が好きだな、と感じます)
「それなら、
全天候型メガフローティングシップヤード
とかやったらいいのでは?」
という発言があり、一同「あ、それは面白い」という空気になりました。
その日は雑談でしたので、それで終わったのですが、あまりにも面白い話なので、「全天候型メガフローティングシップヤード」について、私はその後、AIと壁打ち(AIとブレインストーミングしながら考えを整理すること)をしています。
冒頭の画像が、現在、壁打ち中の全天候型メガフローティングシップヤードです。
まだまだ全体像をまとめきれていませんが、途中経過を公開させていただきます。
駿河湾・未来型海上造船都市構想
〜全天候型メガフローティングシップヤード〜
津波をいなし、街を守る。世界最大の「動く」造船都市
コンセプト: ただ船を造るだけの工場ではありません。 南海トラフの巨大津波に正面から向き合い、そのエネルギーを受け流すことで背後の街を守る、「防災インフラと産業拠点」が融合した、人類初の挑戦です。
平常時の姿(造る機能)
これが、駿河湾に浮かぶ全長1キロメートル超の「巨大な人工半島」です。
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世界最大の工場: 左右に並ぶ6つのドックで、タンカーや海上都市のパーツなど、超巨大な構造物を6つ同時に建造できます。
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全天候型の大屋根: 東京ドーム10個分以上の広さを覆う巨大な屋根(壁はありません)が、雨や日差しから作業を守ります。
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陸とつながる職場: 施設は陸地に接続されており、技術者たちは毎日、車や電車で橋を渡って普通に「海の上へ通勤」します。
津波襲来時の姿(守る機能)
最大の使命は、巨大地震が起きたその瞬間に発揮されます。
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緊急分離(パージ): 地震を検知した瞬間、陸地とをつなぐ橋が自動で切り離されます。
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津波に合わせて「浮く」: どんなに高い津波が来ても、施設全体が巨大な「浮き」となって海面と一緒に上昇します。
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街を守る「盾」になる: 画像のように、100万トンを超える施設の巨大な下部構造が、押し寄せる津波を砕き、エネルギーを吸収します。結果として、施設の背後にある陸地の街への津波被害を劇的に減らす「最強の防波堤」となります。また、復興時の拠点ともなります。
予算と未来への投資
予算の目安:総額 約 1.2兆円
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造船工場としての建設費: 約8,000億円
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巨大な屋根と津波対策システム: 約4,000億円
未来への価値: 一見すると巨額ですが、これは単なる一企業の工場建設費用ではありません。
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「産業」への投資: 日本が世界一の造船大国として復権するためのエンジンとなります。
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「安全」への投資: 駿河湾沿岸の数十万人単位の命と財産を守るための、国家的な防災費用でもあります。
フローティングシップヤードは、水深が深い場所でなければなりません。日本近海でいくつか候補があるのですが、駿河湾にすることで防災拠点にもなる、ということで駿河湾でシミュレーションしています。
総額1.2兆円という夢のような話ですが、考えるだけならタダですし、こうした「未来の絵」を描く時間は、とても楽しいものです。
壮大な話で2025年の最後の更新とさせていただきます。
みなさま、良いお年をお迎えください。

