「IPアドレスが枯渇するから、IPv6にしなければならない」という声があります。
ちょっと乱暴に言えば、私は、「(少なくとも日本において)IPアドレスは枯渇しない」と思います。
理由その1)現状でも使用率は最大80%以下であり、20%の余裕がある
理由その2)今後、インターネット利用者が25%増加するとは思えない。
ちょっと説明が必要と思いますので、以下に詳しく。
■IPアドレス枯渇問題の本質
IPアドレス枯渇問題、というのは、20xx年にIPv4アドレスをすべての国に割り当ててしまうことにより、さまざまな問題が起きる、ということです。
その中で最も大きな問題は、「新たにインターネットをはじめるお客様にプロバイダーがIPv4アドレスを割り当てられず、その人は、さまざまなホームページをほとんど見れなくなってしまう」
ということです。現在のほとんどすべてのWebサービスはIPv4で出来ており、IPv6からは一切アクセスできないのです。
「IPアドレス枯渇問題」の本質は、「新規にインターネット接続をしたいお客様に、プロバイダーがIPv4アドレスを割り当てられなくなること」
と、言えます。
さて、この立場で「IPアドレス枯渇問題」を考えます。
■理由その1)現状でも使用率は最大80%以下であり、20%の余裕がある
80%以上の利用率にならないとJPNICにIPアドレス申請が出来ません。現状、ほぼすべてのプロバイダーが80%以下の利用率と考えてよいわけです。80%以上の利用率であえて新IPアドレスを申請しないプロバイダーがあったとしたら、、そのプロバイダーはそもそも今後IPアドレスを使用しないと思われます。
■理由その2)今後、インターネット利用者が25%増加するとは思えない。
現在80%とすると、100%になるには、25%増です。
将来、大幅な人口増加も考えにくく、25%増はあり得ない数字だと思うのです。
結論として、日本の人口が25%増えるような状況にならない限り、IPアドレスは枯渇しない、ということになります。
データセンターにIPv4アドレスを割り当てられない、という問題は起きるでしょうし、発展途上国において、インターネットユーザーが増加したときに、IPv4アドレスを割り当てられないという問題は間違いなく起きます。
しかしながら、多くの人が恐れている、「日本で新たにインターネットを始める人が、IPv4アドレスがなくて困る」ような状況は起きないと考えています。